−ITS自動決済システム実証実験−
【プラットフォーム関連技術の規格化ロードマップに関する調査研究】

1.研究の目的
 (財)日本自動車研究所(JARI)では、平成14年度より狭域通信(DSRC)を応用したITS自動決済システムの実用化に向けて、決済の実施要件や、車載器、路側機の機能要件、DSRC通信区間のセキュリティシステム、DSRC車載器の仕様などの標準化に取り組んできた。

 平成16年度から17年度にかけて、各種標準化案の検証を行うとともに、事業者や利用者の視点に立った評価を行うため、駐車場や給油所等にDSRC設備を設置し、ITS自動決済システム実証実験を実施した。

2.研究の概要
 平成16年度に実証実験計画の公募を行い、愛知万博の会場や名古屋市内をはじめとする愛知県下19箇所の駐車場にITS自動決済システムの実験装置を設置し、平成17年3月、愛地万博開幕と同時に実験を開始した。実験では、一般からモニターを募集し、実験用DSRC車載器を車両に装着してもらい、実際に駐車場を利用して頂いた。

 路車間の相互接続性など技術的評価が行われ標準化案の妥当性や有効性が確認されるとともに、利用者や事業者を対象としたアンケート調査の結果では、ITS自動決済システムの利便性が高く評価され、DSRC車載器の普及への期待が大きいことがわかった。一方で、提携店舗利用に対する割引に対応していないこと、入庫時間がわからないことなどが短所として判明したため、実験対象駐車場1箇所の事前精算機に駐車証明書発行と割引精算の機能を追加、再度評価を行った結果、利用者の不満はほぼ解消されることがわかった。

 平成18年2月末までの実験期間中、実験システムには大きなトラブルも無く、十分に信頼性が高いことが証明された。利用者、事業者の受容性が高いこととあわせて、実用への移行が可能との結論を得ることができた。

 平成17年9月末からは、愛知県下3箇所の給油所に設置した登録型のITS自動決済システムの運用を開始し、平成18年2月末での5ヶ月間実験を行った。
利用者や事業者を対象としたアンケート調査の結果では、現金やカードの取扱いが不要という登録型のITS自動決済システムの特長が高く評価された。短所としては、登録が必要なことや、無線通信を使用する不安などがあげられた。利用できる給油所や給油レーンが少ないことへの不満も多く見られたが、普及とともに改善されるものと考えられる。

 また、給油所へのDSRCシステム設置に関する技術的検討も行われ、給油可能な車両停止範囲と通信エリアの両立が可能であることや、アイランド両側に設置したアンテナによる干渉が解決可能であることなどが実証された。