米国ITSアーキテクチャ(1996年6月版)
題名:標準規格要求仕様パッケージ 11:公共交通管理から公共交通車両およびリモートトラベラサービスへのインターフェース

〔原文題名:Standards Requirements Package 11 : Transit Management to Transit Vehicle and Remote Traveler Services Interfaces
 原文作成:U.S. Department of Transportation〕

標準規格要求仕様パッケージは、ほかのアーキテクチャに関する資料と併せて使用することを意図したものである。特に、規格に関する諸要件の資料を概説する章にはアーキテクチャフローの査定や評価に用いた一部の方法の関連資料を掲載し、説明/理由付けを行っている。しかし、最初にある標準規格要求仕様パッケージを受け取っただけで、関連のサポート資料は受け取っていないという方も多いと思う。このような方々に対しては一般的な概論資料を提供し、規格諸要件に関するパッケージの作成に当たって用いた内容やアプローチの理解を深めていただくようにしている。究極的には、ITSに関連する規格に従って規格を開発している団体は、参考資料としてアーキテクチャに関する完全な一式の資料を必ず参照できるようにしておくこと。標準規格要求仕様の資料の全体目標や内容を概説するために、同文書のエグゼキュティブ・サマリーを下記に再掲する

標準要求仕様文書(Standards Requirement Document、SRD)は、他のアメリカITSアーキテクチャ・プログラムからの情報を集め、重要なITS標準の開発に資するようまとめなおしたものである。SRDの主要な成果は、アメリカITSアーキテクチャの参照モデルと、アークテキチャのインターフェースを構成する個別のデータフローに関わる標準化の課題を評価するための評価スキーム、そしてインターフェースを重要性に応じてグループ分けした標準要求仕様「パッケージ」である。以下にこの成果と主要な結論をまとめる

最初のセクションは、SRDの構成と使い方を述べる。基本戦略として、参照モデルが標準開発団体(SDO)にとって、活動の全体的な位置づけを提供することになる。SDOは、全文書の中からある標準要求仕様パッケージを抜き出し、それから参照モデルを全体的なアーキテクチャへの手引きとして使うことができる。もっと詳しい情報ニーズがあれば、論理アーキテクチャや物理アーキテクチャなど、もとの出典となった文書を見ることになる

次のセクションは、アーキテクチャの相互のつながりやフローに適用される、いくつかの評価方式の考え方を述べる。これには、相互運用(interoperability)のための必用仕様、テクノロジーの熟度評価、および関係者の利害が含まれる。アーキテクチャ内のすべての相互接続(interconnect)は、これらの尺度をもとに検討された。そして、特に相互接続のための要求と関係者利害に基づき、標準要求仕様パッケージが選択された。全体として、移動体システム関連のインターフェースが関係者利害に最も関わる部分であり、相互運用のための要求においても一番厳密さが要求される部分だった。これに次ぐのが交通管制に関わるインターフェースと情報サービス提供者サブシステムに関わる部分だった

続いて、アメリカITSアーキテクチャのコンポーネントの上位定義として、アーキテクチャ参照モデルが提供されている。サブシステム同士やターミネータの相互接続、その定義、および相互の通信戦略のタイプとして何が望ましいかを説明している。この参照モデルは、抽象レベルでアーキテクチャの全体像を伝えるための重要なツールである。SRDでは、この参照モデルは全体の文脈を提供するものとして位置づけられている。しかしこの参照モデルはITSアーキテクチャの文書化と比較のためのたたき台となるべく、別個の文書としてISO経由で国際的に配布されている

SRDの核心は、標準要求仕様パッケージ群である。各パッケージは、ほぼ完全に独立した文書としてSDOが利用できる、標準の要求仕様とその位置づけをまとめたものである。これらのパッケージは、ITSの重要事項をカバーし、アメリカITSアークテキチャの思想とまとまりを保ちつように選ばれており、さらに関係者の支持を得たものと考えられているので標準化推進の役にもたつであろう。この釣り合いをとるのは難しい作業である。その結果、アーキテクチャ・プログラムの最重点標準化ニーズをカバーするものとして、以下の11のパッケージが定められた。
 1.専用狭域通信(DSRC、従来は「VRC」)
 2.デジタルマップデータ交換および位置参照フォーマット
 3.情報サービスプロバイダ用無線インタフェース
 4.商用車運行用センタ間データ交換
 5.個人用、公共輸送用、およびHAZMATに関するメーデー(遭難信号)
 6.他センタ(EMSを除く)への交通管理サブシステム(TMS)
 7.路側装置への交通管理サブシステムおよびエミッションの監視
 8.公共輸送車輌および緊急車用信号優先権
 9.他センタへの緊急管理サブシステム(EMS)
 10.他センタ(EMSおよびTMSを除く)への情報サービスプロバイダサブシステム
 11.公共交通管理サブシステムと公共車両および公共交通停留所

この11分野はアメリカITSアーキテクチャの大部分をカバーし、関係者利害と相互運用のための要求を蒸留して要点を抽出したものである。これらのパッケージのすべて、または大部分についてでも標準化が実現すれば、ITSはユーザ・サービス要求で把握されたもともとの全体像実現に向けて、長足の進歩をとげたことになる

規格に関する諸要件のパッケージを作成する意図は、アメリカITSアーキテクチャの一部のサブセットの標準化作業を容易にすることである。「パッケージング」プロセスには、他の資料、主に「Logical and Physical Architectures(論理アーキテクチャおよび物理アーキテクチャ)」からの情報集約化と整理が含まれている。SDOに理解可能かつ便利なフォーマットを何とか作り上げようと数々の試みを繰り返し、そしてついに、一般のコンセンサスはないものの、寄せられたコメントのほとんどの主旨には対応を試みた

この規格に関する諸要件のパッケージの主な内容は次のとおりである。
・このパッケージの範囲および意図の概論
・メッセージトランザクションセット
・インタフェースの詳細
・通信上の考慮点
・制約
・データディクショナリエレメント(DDE)の定義およびサイズ

1.標準規格要求仕様文書について
 1.1 標準規格要求仕様文書のエグゼキュティブ・サマリー
 1.2 規格に関する諸要件のパッケージの構築

2.本規格パッケージについて

3.TRMS-RTSおよびTRMS-TRVSインタフェースのトランザクションセット
 3.1 公共交通管理サブシステムからリモートトラベラサポートサブシステムへのインタフェース
 3.2 公共交通管理サブシステムから公共交通車両サブシステムへのインタフェース

4.インタフェースの詳細
 4.1 リモートトラベラサポート→公共交通管理
 4.2 公共交通管理→リモートトラベラサポート
 4.3 公共交通車両サブシステム→公共交通管理
 4.4 公共交通管理→公共交通車両サブシステム

5.通信上の考慮点
 5.1 通信サービス:有線および無線
 5.2 有線通信エレメント(w)
 5.3 無線通信エレメント(u1およびu2)

6.制約
 6.1 評価カテゴリ