ITS車載システムアーキテクチャの研究【車載物理アーキテクチャの構築】想定シナリオ

平成9年度の活動は、ITSユーザサービスを実現するために必要な「機能」や「情報」の内容や枠組みを明らかにして、車載システム論理アーキテクチャを構築した。本年度はその車載システム論理アーキテクチャに基づいて、各ITSサービスあるいはサブサービスを実現する方式や機能の物理的な配置を記述する物理アーキテクチャを策定する。これに際し、2003年、2008年、2018年の各年代を想定して、それぞれの物理モデルを検討していくこととした。そのためITS発展の想定シナリオを策定した

本書に記載するITS想定シナリオの位置づけと必要性について述べる。ITSのような大規模システムの構築には、多くの関係者が関与してくる。また将来の製品・サービスであるため、関係者が同じようにイメージできる各ITSサービスの将来像が必要である。例えばマーケットの展開方向や市場の大きさが大まかに把握でき、またターゲット・ユーザ層の特徴、普及にともなうユーザ層の変化などもイメージできる必要がある。さらには地域的な広がり(都会→地方)あるいは用途の転用(ビジネスユース→一般ユーザ)なども可能な範囲で記載してあることが望ましい。また設定した実現時期の将来像は、現状と連続している必要がある

ITSを構成する自動車、道路、情報通信機器の各産業においては、製品(アウトプット)のライフサイクルが異なるため、将来像の共有化も必要である。また立場や利害の異なる関係者で調整の必要性が生じた場合、議論の前提の1つとすることもできる

本書の想定シナリオは3部構成となっている。第1部はITS事業環境ロードマップであり、ITSに関係してくるマクロな将来動向/指標を2020年までまとめてある。第2部が想定シナリオである。将来像をイメージできる文章(シナリオ)と各ロードマップから構成されている。ロードマップは想定シナリオに沿って具体的なマイルストーンを描いたもので、できる限り定量的に表現してある。定性的表現にならざるを得ない場合は、各時期の変化が明確になるように記述されている。ロードマップは社会トレンド、マーケット、利用技術、性能等から構成されている。第3部は想定される技術進展をまとめたものである。この技術進展のエポックに応じて、想定シナリオの技術部分が書かれている。1〜3部は相互に関連を持っている。なお第2部の想定シナリオ作成に当たっては、(社)日本自動車工業会ITS部会・コンセプト分科会およびシステムアーキテクチャ検討WGよりご協力をいただいた

1.ITS事業環境ロードマップ
 A.マクロ経済
 B.社会環境
 C.社会・道路交通対策と動向
 D.技術動向
 コメント

2.各サービス別ITS想定シナリオ
 1.ナビゲーション/動的経路案内
 2.道路交通情報提供
 3.サービス情報提供
 4.自動料金収受
 5.視覚補助
 6.走行環境情報提供・警報
 7.車内監視・警報
 8.走行制御
 9.自動運転
 10.高度交通流制御
 11.道路管理車両運行管理
 12.特殊車内等運行管理
 13.マルチモーダル利用支援
 14.公共交通車両運行管理支援
 15.商用車両運行管理支援
 16.歩行者等危険防止
 17.緊急時自動通報支援
 18.緊急車両救援活動支援
 19.高度情報通信社会対応支援

3.想定される技術進展
 3.1 無線技術
  3.1.1 路車両間通信
  3.1.2 車々間通信
  3.1.3 センタ車両間通信(広域無線通信)
  3.1.4 放送
 3.2 車両検知技術
  3.2.1 自動位置検知技術
  3.2.2 周辺車両検知技術