ITSベンチマークモデルカーの研究 概要編

この研究は、平成11年度にITS車載システムアーキテクチャの応用研究の一環として実施した「ITSベンチマークモデルカーの研究」に引き続き、実施したものである。平成11年度には、ITS車載システムアーキテクチャ(以下車載SA)の理解・活用を促進し、ITSに関する制度・政策検討及び標準化検討のベースを提供する目的で、車載SAをビジュアルに提示・解説するITSモデルカーデータベース(以下モデルカーデータベース)の構築方法を開発し、行政政策担当者向けモデルカーデータベース概要編を作成した

平成12年度は、ITS専門家向けのモデルカーデータベース詳細編を作成すると共に、車載SAを実現する車の例として提示したITSベンチマークカーを活用して、装置レベルから車載SAの物理アーキテクチャに基づく標準化検討項目を導き出す手法を提示する。車載SAは、大規模システムの開発、標準化戦略の立案、制度・政策決定などへの活用を目的に開発された。モデルカーデータベースは、この車載SAの理解と活用を促進することを目的に、図表やアニメーションなど、ビジュアルで解りやすい画面を多く盛りこみ、インターネットのホームページのように画面上のボタンを選択することで、ITSの概要から車載SAの細部まで順を追って理解可能な電子ツールである

平成11年度には、行政政策担当者にITSに関する制度・政策の検討ベースを提供することを目的に、モデルカーデータベース概要編を作成した。装置及びシステム開発者などが、より深く車載SAを理解し、ITS関連システムや装置の設計開発に活用するためには、その業務に関連する装置や技術、システムなどから、車載SAの細部構成まで調べることができるようにする必要がある

このため、平成12年度に開発したモデルカーデータベース詳細編では、これまでの成果物などから装置や技術、システムの用途を明確化し、車載SAの構成要素である機能と情報の実現単位であるユニット(以下UT)や、より抽象度の高い機能や情報の集まりであるサブシステム(以下SS)とを対応付けることにより、各装置や技術、システムがどのサブサービスで使用される可能性があるかを明確にし、車載SAの細部まで検索することを可能にした

平成10年度と平成11年度に、物理アーキテクチャに現れる車両内外を流れる情報、通信パス、SS/UT、およびサブサービスを分析し、標準化候補領域(ITS規格化報告書S98−1)や、標準化項目一覧表、標準化ガイドライン表(同S99−1)など、車載SAを活用した標準化検討の指針を作成してきた

平成12年度は、モデルカーデータベースを活用し、車載システム構築に実際に使用すると考えられる具体的な装置に関する標準化項目を導き出す手法を提示した。まず、具体的な装置レベルで車載SAを実現する例を提示したITSベンチマークカーを用いて、具体的な装置(例えば車載カメラなど)の機能と関係するSS/UTを抽出する

次に、抽出したSS/UTが使われるサブサービスを物理アーキテクチャから抽出することで、ITSベンチマークカーに出現する装置とその装置が使われる可能性があるサブサービスとの対応表が作成できる。この表から、複数のサブサービスで使われる可能性のある装置は、標準化の必要性が強いと判断でき、かつ標準化の際に検討すべきサブサービスの範囲、すなわち標準化検討範囲を知ることができる

そして、標準化の必要性が強いと判断した装置と関係するSS/UTから、車載SAで現れる情報内容、通信パスを知ることができ、これを装置毎の標準化検討項目と判断することができる。さらに、平成11年度の成果である標準化ガイドライン表の標準化項目と照らし合わせることにより、その標準化検討項目の標準化の重要性や標準化検討状況を知ることができる

第1章 はじめに
 1.1 ITSモデルカーデータベース詳細編の概要
 1.2 標準化検討の概要
第2章 ITSモデルカーデータベース
 2.1 データベースのねらいと作成の考え方
 2.2 詳細編作成の考え方と手順
 2.3 装置、通信、要素技術、システムとサブサービスの対応表
第3章 ITSベンチマークカーを活用した標準化検討手法
 3.1 目的
 3.2 標準化検討項目の導出手順
 3.3 試行例
第4章 まとめ
 4.1 平成12年度の成果
 4.2 今後に向けて