ITS 実配備に関する情報基盤整備(ITS 評価基準の研究)
【システムアーキテクチャにおける整合手法の研究】報告書

ITS は、研究開発である第1 フェーズから実配備である第2 フェーズに入ったと言えるが、その中心となる地域ITS 実配備にとって、各地域間及び日本全体におけるITS に関連するシステム全体の整合性、拡張性を是非とも確保しなければならない要件であり、このための規格化、標準化の検討が最も重要な項目の一つとなる

一方、上記ITS 関連システムの設計開発に際して、ITS 関連システム全体の整合性、拡張性を確保すべく、その開発ツールとしてシステムアーキテクチャ(以降SA)が構築されている。主に自治体向け、インフラ中心である日本のSA と、主にカーメーカ、電子機器メーカ向け、車両中心である車載SA である

この場合、どちらか一方のSA を共通で使おうとすると、問題が出てくる。特にカーメーカ、電子機器メーカが日本のSA を使おうとすると、その問題は大きくなる。日本のSAには技術進展に関するシナリオ、ロードマップがないために、ITS サービスを実現する個別物理モデルが、SA を構築した平成10 年頃に想定したものに限定され、最新のIT 技術等を使い、Benefit/Cost を大きくしようとするシステム、車載システム設計には使用できない場合が出てくると想定される

本研究は上記背景より、自治体が日本のSA を、カーメーカ、電子機器メーカが車載SAをツールとして使い、同一のITS システムを設計していく時に、各々企画の目的、設計の目的が達成できるよう双方のSAの整合について車載SA側からのケーススタディを実施し、その特解としての知見を明確にすることを主目的とする

また、本研究は車載SA からの視点を中心とするため、カーメーカ、電子機器メーカの立場に立って、自治体から出されるITS 関連システムの入札仕様書等に対して、車載SAをツールとして使えるか、評価の一例としてBenefit/Cost を最大限にし得るシステム設計が可能かどうか、そのような対案を作成できるかどうかを検討することを目的とする

本研究は、カーメーカ、電子機器メーカの意志決定者、技術者等が、日本のSA をベースに作成される地方自治体からの「地域ITS」企画案との整合性を保ち、車載SA をベースにBenefit/Cost に優れたシステムの開発、設計を行うことができるようにすることを目指し、日本のSA と車載SA との整合手法に関する基礎的な検討を行う

本研究では、日本のSA の172 のサブサービス、車載SA の46 のサブサービス間の対応手法に関する提案、対応付けを行うとともに、特定地域における地域アーキテクチャとして豊田市の例を取り、同市のITS 戦略プランにもとづき、地域アーキテクチャにおける個別モデル(個別物理モデル)に関して両SA 間の対応手法の提案、対応付け、ならびに地域ITS ガイドラインに関する二、三の考察を行う。これらの提案、検討によって、日本のSA と車載SA における整合手法に関する有効な糸口を見出すものである

第1章 研究開発の概要
 1.1 研究開発の背景
 1.2 研究開発の目的
 1.3 研究開発の内容

第2章 日本のシステムアーキテクチャおよび車載システムアーキテクチャにおけるサブサービス
 2.1 対応手法
 2.2 対応例
 2.3 対応結果と考察

第3章 地域アーキテクチャおよび地域ITS 評価ガイドラインに関する考察
 3.1 地域アーキテクチャのサブサービスに関する個別モデル(豊田市のITS 戦略プランに関する検討例)
 3.2 地域ITS 評価ガイドラインに関する考察

第4章 まとめ
 付録1 日本のSA と車載SA におけるサブサービスの対応結果(車載SA からみた場合)
 付録2 日本のSA と車載SA におけるサブサービスの対応結果(日本のSA からみた場合)