ITS標準化のための要素機能と試験方法に関する調査研究
【貨物輸送へのITS応用に関する調査研究】報告書

カーナビゲーションで良く知られるようになったITS は、今や、携帯電話での航空券やホテルの予約から、GPS 一体型の携帯電話の利用まで幅広いアプリケーションが見られるようになってきた

しかし、国内の物の移動の大半を担うトラック輸送は、道路交通台kmの4割を占めており、環境や渋滞の改善という公共的目的にとっても、食卓を賑わす多様な食材の提供にとっても、自動車生産等の産業活動にとっても重要な役割を担っているにもかかわらず、ITS のトラック輸送向けの業務用アプリケーションは、ほとんど見られない

他方、トラック輸送には明確なITS へのニーズがある。運送依頼に基づく荷受地・荷届地の位置確認が必要であるし、N対N区間での道路距離表の作成や運賃計算、到着時刻の予測など、多様な機能が求められている。トラック事業者には、中小事業者が多く、パソコン利用もようやく始まったばかりであり、安価で汎用性の高い機器やソフトが必要とされている

本調査は、こういったトラック輸送に必要とされるITS の共通基盤を検討し、その標準化要件を具体的に検討することから出発した。そして、運送依頼情報における荷主名、貨物内容、荷受地・荷届地の情報のうち、取引上の守秘性が高い荷主名や貨物内容は、運賃同様、各社内の扱いが異なるものの、車両の移動に関わる時間と場所(荷受地・荷届地)を標準的な表記とすれば、発着荷主にとっても消費者にとっても有効な情報共有につながることを確認した

昨年度は、場所に関わるデータ表記の国際規格を検討し、場所の汎用表記方法である緯度経度が適用可能であることを確認した。今年度は、さらに、国際的な物の流れを把握しようとするニーズや効果ととともに、緯度経度データの活用可能性を含めて具体的な業務フローに即した検討を行い、その有効性を確認した

今後、多様な輸送業態に応じた一層詳細な検討が必要ではあるが、本調査成果がITS の貨物輸送への適用可能性を検討している多くの関係者の参考になれば幸いである

【概要】
 第1章 物流情報化の現状と課題
 第2章 物流業務におけるIT 活用の意義と役割
 第3章 物流情報に関わる共通基盤構築の必要性
 第4章 物流情報化に関わる標準化動向
 第5章 共通物流情報
 第6章 今後の課題

【本編】
 第1章 物流情報化の現状と課題
  1.1 物流情報化の現状と課題
  1.2 情報通信技術(IT)の進展による物流環境の変化
  1.3 物流情報のオープン化の必要性

 第2章 物流業務におけるIT 活用の意義と役割
  2.1 物流業務における位置情報の活用モデル
  2.2 位置情報の活用部面の具体的意義

 第3章 物流情報に関わる共通基盤構築の必要性
  3.1 物流情報のオープン利用環境を担うITS
  3.2 IT 空間とITS 空間のインターフェースの動向
  3.3 誰もが利用できるオープン環境なITS の必要性

 第4章 物流情報化に関わる標準化動向
  4.1 取引情報レイヤ
  4.2 運輸・車両情報レイヤ
  4.3 貨物情報レイヤ

 第5章 共通物流情報
  5.1 物流情報レイヤ間でのオープンインターフェースの構築
  5.2 ミニマムリクワイヤメント

 第6章 今後の課題
  6.1 既存緯度経度表記規格への提言
  6.2 国際物流、国内物流の標準化団体への緯度経度表記の提言
  6.3 おわりに

【参考資料】
 平成13 年度活動全体概要(プレゼン資料)