−ITS 実配備に関する情報基盤整備−
【ITS データレジストリ運営についての調査研究】

ITS には多様な開発分野、サービス分野が存在し、しかもこれら分野は共通の事物(例えば、道路、車両、交通状況)を扱う総合的な体系になっている。そのため、各部分の関係の把握、整合的構成、相互運用性を向上させるための取り組みが必須であり、その基盤としてのデータの共有化促進が極めて重要である

データ共有を促進するための一つの仕組みとして、データ型の定義情報を一元管理するデータレジストリがある。定義情報を一元管理することにより、関係他分野の状況を踏まえた標準化を進めることが容易になり、また、標準データを用いたシステム開発を進めるために、現在の最新ITS 標準を体系立ててすばやく理解することができる。より体系的で整合性のとれたデータを用いたシステムの構築が可能となり、開発・保守が効率化されるため、開発者のみならず発注者にとっても便益がある。このような事情はITS の分野だけのものではなく、ヘルスケア、防衛、環境など各種分野においても同様であり、すでにデータレジストリが運営されている分野も多い

このため、ISO/TC 204/WG 1 では、ITS データ定義情報を一元管理する際の情報構造や運営方法について規定する規格の開発に取り組み、2002 年12 月にはISO14817「ITS中央データレジストリとデータ辞書の要件」が発行された。これと並行して、ITS の個別アプリケーション分野の標準化活動においても、それぞれの分野でのデータ辞書やメッセージの標準化が進行しており、データレジストリで一元管理されるべき各種データ型の定義情報が作成されている。従って、ISO14817 に則ったデータレジストリの構築・運用が急がれる段階にあり、関係各国では、ITS データレジストリ運営についてパイロットシステムを作成して検討する動きが活発になってきている

我国でも、これまでにデータ辞書、データレジストリに関する技術的な調査研究がすすめられてきたが、ITS 分野でのデータ定義の現状を総合的に把握するための調査研究には至っておらず、どのような定義情報がどのアプリケーション分野に実際に存在しているのか、何がデータレジストリで扱う対象になるのか、データ共有化に対してどのような問題があり、データレジストリを構築すればどのような効果が期待できるのかなどが具体的な形で把握できていなかった

本調査研究は、これらの実状を具体的に把握し、我国における今後のデータレジストリの構築に向けた指針を得るために行ったものである

本調査研究の目的は、各アプリケーション分野の専門家が、各々の分野における代表的な規格文書や仕様書を分析してデータレジストリへの登録対象と考えられるデータコンセプトを抽出することによって、
● 国際規格ISO14817「ITS 中央データレジストリとデータ辞書の要件」に示された「データレジストリ」および「データコンセプト」についての理解を深めること
●日本でデータレジストリを構築した場合の初期段階における具体的内容を想定し、データレジストリの利用・運用面における課題・効用についての考察を行うこと
●初期段階における運営組織体制についての具体的な考察を行うことにある

日本でのITS データレジストリ運営環境を把握し、レジストリ構築・運営の具体的前進を図るため、
●日本におけるITS 関連のデータ定義の現状調査
●他分野におけるデータレジストリの動向把握を行い、それに基づいて、日本における
●ITS データレジストリの在り方
●登録対象とすべきデータコンセプト(データレジストリ登録要素)および、その抽出方法
などについての考察を行った

第1章 はじめに
 1.1 背景
 1.2 目的
 1.3 実施事項

第2章 前提となるITS データレジストリの国際規格
 2.1 データレジストリとは
 2.2 データコンセプトとは
 2.3 データコードとは
 2.4 メタアトリビュートとは


第3章 データレジストリ運営環境の現状と考察
 3.1 ITS 関連データ定義の現状調査
 3.2 他分野におけるデータレジストリの動向
 3.3 考察

第4章 まとめ
 4.1 成果概要
 4.2 今後の課題