−ITS車載機器標準化のための要素機能と試験方法に関する調査研究−
次世代ナビゲーションメッセージセット規格化の調査研究

TC204/WG11 のサブワーキンググループであるTC204/SWG11.1 ではこれまで一貫してナビゲーション、経路誘導技術を活用したシステムで利用される情報項目とそれらの通信上の表現であるメッセージセットの標準化に取り組んできた

インターネットや携帯電話、携帯端末の普及に伴い、ナビゲーション、経路誘導技術を活用したサービスを誰もが、より簡単に享受できる状況になった今、それらのサービスを実現するために利用されるメッセージセットの標準化は、サービスの応用性やシステム開発の容易性を向上させるためにその必要性が増してきている

日本のナビゲーション、経路誘導技術は世界的にも高い評価を受けており、日本国内のITS(Intelligent Transport Systems、高度道路交通システム)で定義されている9つの開発分野1の中でも
(1) ナビゲーションシステムの高度化
(2) 公共交通の支援
(3) 商用車の効率化
(4) 歩行者等の支援
(5) 緊急車両の運行支援
などの分野において積極的に活用されていくことは間違いない

しかし、基盤技術の確立が進む中で、これらの技術で利用される情報項目やメッセージの定義で数多くのデファクト標準が規定され、それらの技術を活用したシステムを構築する場合に、それらの標準を考慮しなければならないという状況も発生している

車載機の開発や地図データの加工を行う企業を中心にして、様々なメッセージセット標準を確立していこうとする動きがあるが、統合的なITS サービスの提供を目指す団体や企業は、整理された情報項目やメッセージセットのモデルとそれらを異なる環境で共通に利用できる基盤作りを標準化団体に求めていると思われる

冒頭でも述べたようにTC204/SWG11.1 ではナビゲーション、経路誘導技術に関わる標準化活動に取り組み、それらの技術自体もしくは技術を活用したシステムで利用される標準的なメッセージセットを抽出、定義してきた

しかし、定義されたメッセージセットは機能を実現するための要素、つまり技術的側面から顕在化する要素が多く、ナビゲーション、経路誘導技術を用いたITS サービスレベルで必要となる内容が不足していると思われる

また、ITS 全体でそれらの情報項目やメッセージを管理し、容易に利用、連携できる仕組みもなく、TC204 の各WG で定義した情報項目やメッセージの標準化がまだ進んでいない。このままの状態で推移していけば、TC204 の標準化資産が分散し、様々なITS サービスを実現するのに大きな弊害となることが懸念され、早急な対策が必要な状況である

上記の課題を解消するために、以下の二点を目的とした標準化を推進することにした。
(1)ナビゲーション、経路誘導技術を活用したITS サービスの提供に必要な「標準的な情報項目・メッセージの標準化」によるシステム構築における負荷の軽減。
(2)様々な技術分野の統合ITS サービスを提供する「標準的な仕組みの構築」によるITS サービスレベル向上の促進。

標準化の対象は、ナビゲーション、経路誘導技術を活用したITS サービスの提供に必要となる標準的な情報項目、メッセージセットのモデルであり、それらはTC204 で管理、連携するための仕組みである「データレジストリとデータ辞書の要件」(ISO14817)を前提とした標準でなければならない

そのため、ISO14817 の仕組み、運用など標準内容に対する充分な理解が必要であるが、本研究は、ISO14817 の制定WG であるWG1 分科会の協力を得て、ISO14817 に準拠した形で活動を進めている

本年度の調査・研究活動は下記内容を中心に行った。
(1)ナビゲーション、経路誘導技術メッセージの動向調査と定義案作成国内で実施されているナビゲーション、経路誘導技術に関連するメッセージセット標準化の動向調査を実施し、現在WG11 で標準化を図ったCDRG、LDRG メッセージを基盤とした「ITS ナビゲーションメッセージセット」定義案を作成する。
(2)ITS 標準化のための情報項目、メッセージセットの具体モデル調査

(1)で作成したメッセージセット定義案をTC204/WG1 が制定したISO14817へ実際に適用してみるシミュレーションを実施し、ナビゲーション、経路誘導技術を活用したサービスにおけるメッセージセットをデータレジストリで構築し、利用者が定義されたメッセージセットを容易に利用・連携できる仕組みを作成する

第1章 はじめに

 1.1 調査・研究の背景
 1.2 調査・研究の目的

第2章 調査・研究の実施内容
 2.1 本研究とデータレジストリモデルの関係について
 2.2 次世代ナビゲーションメッセージセットの考察
 2.3 調査・研究の標準化内容について

第3章 まとめ  3.1 本年度の成果
 3.2 今後の展望と課題

【添付資料】
  添付資料A: 「ISO14817 メタアトリビュート一覧」
  添付資料B: 「データレジストリ登録用サービスシナリオ」
  添付資料C: 「データレジストリ登録用シーケンス図」
  添付資料D: 「データレジストリ登録表」
  添付資料E: 「TC204/WG1 国際会議リエゾン用資料」