−ITS 標準化のための要素機能と試験方法に関する調査研究−
トラック輸送へのITS 応用に関する調査研究

日本国内の経済活動はほとんどトラック輸送に頼っている現状から、トラック輸送の 効率化は日本経済にとって最優先の課題であり、ITS の重要な分野として取り組む必要がある。新総合物流施策大綱でも、トラック運送事業の高度情報化並びに自動車の走行を支援するITS の開発及び活用が具体的な施策として記載されている。こうした施策を推進するために整備すべき標準化の方針を明らかにすることを目的として、2001年度第3回ITS 標準化委員会において、「トラック輸送業務のためのITS 標準化への取り組み(J419)」についての提案が審議され、トラック輸送標準化ビジネスチームが創設され、(財)自動車走行電子技術協会が事務局の任に当ることととなった。これを受けて(財)自動車走行電子技術協会ではビジネスチームの活動に対応した調査業務を検討する分科会を内部に設置し、その活動成果をビジネスチームに反映させる体制をとって進めることとした。本調査研究はトラック事業者の要望をもとにトラック運行管理の情報標準化の状況を調査し実現すべき項目を提案という形で整理したものである。本報告書の一部をビジネスチームの提言として活用した

本調査研究を進めるにあたり、トラック事業者からITS に関連する物流情報標準化の要望を把握し、標準化が有効な課題を抽出し標準化方針を策定した。この中で、物流情報化の共通基盤として、トラック輸送業務における位置情報の重要性とその表記方法の標準化を提案の骨格としている。位置情報は、トラック輸送のほぼ全業務に共通して利用される情報である。トラック輸送の効率化を進めていく上では、(1) 面情報や(2) ノード・リンク情報で認識される「各種情報(荷受地・荷届地、物流センター、道路情報、路面・規制情報等)」と、(3) 点情報で認識される「トラックの現在位置」との位置関係が明確に把握できている必要がある。これらの関係を確保する上で、トラック業務に必要な「位置」に関する情報のプラットフォームとして、緯度経度による表記方法を推奨し、属性情報を自由に記述できる枠を含んだ緯度経度表記として標準化することを提案している。また、トラック輸送業務に必要な情報の整備、情報提供方式、流通・加工処理、移送体通信機器、車載機器における整合性、一気通貫性の確保を盛り込んだ

報告書内容には、実現に向けて関係機関の調整や、各種の関連事項の整合、関心事項の調整等で、数多くのハードルが残されている。今後、一層詳細な検討が必要ではあるが、本調査研究の成果がITS の貨物輸送への適用可能性を検討している多くの関係者の参考になれば幸いである

第1章 研究のねらいとスコープ
 1.1 背景
 1.2 現状と課題
 1.3 標準化による情報化推進のねらい
 1.4 研究のスコープ
 1.5 本研究の検討範囲

第2章 研究のステップ

第3章 トラック輸送業務と情報の流れ
 3.1 トラック輸送形態のモデル化
 3.2 トラック事業者の作業プロセス

第4章 トラック輸送業務の情報標準化ニーズ
 4.1 要望書作成の考え方
 4.2 ITS に関連する物流情報標準化の要望内容
 4.3 標準化の検討優先順位

第5章 要望案の分析とグルーピング
 5.1 要望案の分析
 5.2 事業者ニーズの検討
 5.3 標準化検討課題のグルーピング

第6章 関連技術、関連標準の動向
 6.1 住所情報・位置情報の標準表記
 6.2 電子地図の操作性、情報更新
 6.3 走行環境情報の提供方法
 6.4 走行環境情報の加工利用
 6.5 移動体通信機器
 6.6 車載機器

第7章 グループ毎の提案
 7.1 住所情報・位置情報の標準表記の課題
 7.2 電子地図の操作性、情報更新の課題
 7.3 走行環境情報の提供方法の課題
 7.4 走行環境情報の加工利用の課題
 7.5 移動体通信機器に関する課題
 7.6 車載機器に関する課題

第8章 提案の全体像
 8.1 提案の全体像
 8.2 今後の課題