次世代広域通信システムの機能要件の標準化に関する調査研究

 次世代広域通信システムに関する以下2件の調査研究を実施した。

1.次世代広域通信システムの技術動向と実用化に関する調査
 次世代広域通信について、日本における適用可能性と実用化シナリオおよび標準化の項目を明確にするため、以下のステップで調査を実施した。
 1)CALM(中広域通信システム)に関連する標準化活動、CALM関連の海外研究開発プロジェクト、実証実験等の動向を調査した。
 2)日本でCALMの利用が適しているITSアプリケーションを想定し、CALMを展開する事業者、アプリケーションプロバイダーおよび利用者側の受けるサービスとメリットなどを検討した。
 3)日本の民間事業者が今後、CALMやDSRC等を用いて海外へ進出することも念頭に、標準化活動に関する項目、アクションを検討した。
以上の結果、ISO/TC204/WG16における具体的な標準化項目として、従来、アプリケーションや通信メディアの特性を考慮して通信メディアの選択を行っていたCALMのマネジメント機能について、移動速度や地図と連携したマネジメント機能を追加することなどが挙げられる。また、そのためのアクションとして、既存メディア、特にCALMメディアの課題である高速走行での通信品質向上や、ビル等によるマルチパスの影響などを低減させるような無線制御チップやアンテナなどの製品化をいち早く行い、実績をつくるため、先行した研究や技術開発が必要である。

2.CALMアーキテクチャの機能間整合性に関する調査
 ISO/TC204/WG16におけるCALMアーキテクチャの検討の中でネットワーキングプロトコル(SWG16.2)では、各国が実施しているCALMメディアを用いた研究開発プロジェクトがCALMのアーキテクチャと整合がとれているかどうかの確認や、現状の課題を整理し、CALMで共通に適用するべき事項とその詳細化を図ることが課題となっており、本調査研究を実施した。
 まず、CALMアーキテクチャとの整合については、米国のIEEE P1609やオーストリアのCALM IRに係る企業の活動等のプロジェクトを調査した。その結果、現段階では、これらプロジェクトとCALMアーキテクチャとの間で整合を図るべきポイントはないとの結論を得た。
 次に、CALMアーキテクチャ上の通信メディアやアプリケーションなどのエンティティとの間で標準化を図るべき事項の抽出とその記述レベルの分析を行った。標準化項目としては、ID(例通信メディアのInterface IDなど)、アプリケーションの通信要件パラメータ(例データサイズなど)、通信メディア特性パラメータ(例伝送速度、コストなど)、CME-NME間の通信パラメータなどを抽出した。また、記述レベルについて、データ項目などはサービスを提供する事業者内での相互運用性、互換性を確保する上で最低限必要な項目であるため、ASN.1などを参照して定義する必要がある。