プローブ情報とアプリケーションインタフェースに関する調査研究

 現在、開発あるいは運用中のプローブ情報システムにおいて、そこで扱われるプローブデータのあり方は多様である。例えば携帯電話の発呼情報から移動速度を算出するなど、TC204/SWG16.3が想定していないシステム構成によってプローブ情報を取得するシステムも複数存在する。そこで、本調査研究はTC204/SWG16.3での想定を含む、より広い範囲に調査の領域を広げ、プローブ情報の標準化のあり方を明確にすることを目的として実施した。具体的には、多様なシステム構成を想定しつつ、車両からの送出という視点だけでなく、アプリケーションレイヤにおけるプローブ情報の収集、活用という視点を加え、標準化必要箇所の明確化と、そこでの標準の要件について整理した。
 まず、プローブ情報システムの現状や動向を調べた結果、以下の3種類に分類できる。
(1) 車両標準搭載機能活用型
 車両に標準搭載されるプローブ情報システムを活用するシステム。
(2) テレマティクスサービス融合型
 プローブ情報システム以外の例えば運行管理などのサービスと融合した形で活用されるシステム
(3) 専用システム
 プローブ情報システムを活用する特定目的、あるいは特殊構成のシステム
 次に、プローブ情報システムの分類に応じた標準化のあり方を検討した。アップリンクに関する標準化を考えた場合、現在TC204/SWG16.3で検討されている車両からプローブ情報収集センターへ送出するインタフェースは、特に車両標準搭載機能活用型のシステムにとって重要である。一方、テレマティクスサービス融合型においては、プローブ情報収集センターからプローブ情報処理センターへのインタフェースの標準化が重要である。なお、いずれの場合も、プローブ情報処理センターから情報プロバイダへのインタフェースの標準化も重要であると判断される。車両標準搭載機能活用型とテレマティクスサービス融合型はプローブ情報システムにおける二つの基本的なカテゴリであり、双方を視野に入れた標準化が重要である。
 また、ダウンリンクに関する標準化に関しては、基本的にはプローブ情報センターが車両情報をより適切に収集するためにダウンリンクを用いて指示を与えることが今後重要になると考えられ、その収集を指示するコマンドの標準化が必要になると判断される。
 なお、標準化に関する今後の課題として、以下のような課題が考えられる。
(1) 全体アーキテクチャの検討
 標準化にあたってはアップリンク、ダウンリンクを含めるシステム全体のアーキテクチャを明確にし、その上で個々の標準化箇所に対する要件を精査する必要がある。
(2) 個人情報とその他の情報の扱い
 実際のシステムにおいては、個人情報を含んだ情報に基づく様々なテレマティクスサービスが存在している。全体のアーキテクチャの中で、個人情報を含まないプローブ情報と、それ以外の個人情報を含む情報とがどのように扱われているかを整理し、現状の標準化の妥当性を検討する必要がある。
(3) ロケーションリファレンスの扱い
 車両側の参照データベースの更新を考える場合、経路等、地図上の位置に関する情報をどう扱うかが避けられない問題となってくる。ロケーションリファレンスの扱いに関しては既に標準化活動が進められており、それらとの関係、プローブ情報特有の問題の識別などが必要となる。