EVI応用サービスと標準化に関する調査研究 成果要約
本事業は、ITS標準化委員会のもとに設置されたERIビジネスチーム(注:EVIとERIは同義と考えてよい)を支援する活動である。活動内容は大きく、1)ISO提案に関わる調査と国内関連機関の意見調整、2)海外動向の調査に分けられる。
(1)ISO提案に関わる調査と国内関連機関の調整
TC204/WG4で審議中のERI標準化ドラフトは、Fully-ERI(ISO24534)とBasic-ERI(ISO24535)の2つがある。これらERI標準化ドラフトの課題抽出と対応案の検討を、分科会とビジネスチームの活動を通して実施した。
(1) 日本から提案したSymmetric Techniques(固定鍵方式)をFully-ERIドラフトに新たにパート5として追加することにした。この結果、Fully-ERIは以下の5つのパートで構成することとなった。
Part 1 - ERI Architecture
Part 2 - ERI Operational Requirements
Part 3 - ERI Vehicle Data
Part 4 - Secure Application Layer Using Asymmetric Techniques
Part 5 - Secure Application Layer Using Symmetric Techniques(日本が対応)
(2) ISOドラフトに日本としての事項を反映させた。
・国内仕様車台番号である車台の番号の反映
・車載機器取り付位置の反映
これらの作業にあたって国内の関連機関の調整を図った。
(2)海外動向の調査
H15年度に引き続いて、欧州ERTICOのEVIフプロジェクトの調査を行った。その結果PART1〜PART5にわたる同プロジェクトの報告を入手し分析することができた。特に、以下の点が注目される。
・サービスとして安全性、公正な料金徴収、盗難車対策、EUワイドの国境警備等が挙げられ、コストベネフィットを25年間検討した結果、コストを超えるメリットが期待できること。
・EVIシステムの展開シナリオとして、欧州レベルでのシステム展開とEUメンバー各国でのEVIの個別展開が挙げられていること。後者の場合には、例えば、英国のERPシステムの様な公共セクターが実施するものから、民間セクターのコマーシャル・サービスまで考えられる。
・本プロジェクトでは、今回はアプリケーションの推奨までは言及してないこと。
・具体的な展開については別プロジェクトを新たに設置して検討を進める見込みであること。
こうしたことからERIシステムの欧州での動向は、ERTICO調査の動向把握がさらに必要な状況にあるといえる。一方、米国での動向は、米国内の審議団体が特定できず、調査が難航していたが、ビジネスチーム委員の紹介で米国自動車メーカとの窓口ができた状況にあり次年度調査が必要である。
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