−ITS車載機器標準化のための要素機能と試験方法に関する調査研究−
【車車間通信システムの標準化に関する調査研究】

 車車間通信に関しては、海外、国内でようやく関心が高まってきているが、本調査研究では特に標準化に向けて平成14年度以来、
  1)標準化の検討の枠組みを明確にするためのコンセプトリファレンスモデルの構築、
  2)利用の可能性の高い5.8GHz帯の性能をフィールド等で確認、
  3)海外の研究動向を探り標準化に向けた連携の可能性を探る、
という3つの活動テーマを設定し活動を行ってきた。H18年度におけるテーマ毎の活動内容は以下の通りである。

1.コンセプトリファレンスモデルの構築
 本年度は、これまでとは視点を変えて、まずITSにおける通信の特性を大きく俯瞰し、その中で車車間通信、あるいは車路車間通信などの特性と位置付けを明らかにできるモデル作りを試みた。ITSにおける車へのサービスの多くが、車と道路インフラ(センター等も含む)あるいは、車同士の情報交換から成り立っているというVIS(Vehicle Information Sharing)の視点から、情報の受け渡しの特徴を抽出し、それと現在検討されている通信手段とのマッチングをとった。これにより、相手を特定した通信/しない通信、遅れの許されない通信/ある程度許される通信などのITS通信へのリクワイアメントが明らかになり、車車間通信についてもリクワイアメントに沿った検討の枠組み形成することができた。

2.5.8GHzの可能性検証
 H16年度には車車間通信における中継(マルチホップ)の可能性を実験によって検証し、特に市街地などでは中継機能が情報伝達の信頼性向上に有効であることが示された。本機能はそのままASV3の苫小牧実験にも使用されており、本調査研究においてもさらにその課題を見極めるべく、市街地あるいは住宅地などでの利用可能性をさらに実験的に調査し、車両を増やした場合についても簡易なシミュレーションで課題出しを行った。実験等の結果では、車両の大幅な増大は情報伝達の信頼性に影響し、単純な中継機能では対応が難しいという見通しが得られている。なお、こうした実験の成果は、ITSフォーラムの車々間通信システム専門委員会のARIB標準を目指した規格作りに反映されている。

3.海外調査および連携の可能性調査
 H17年度はハノーバのVSCワークショップ、ISOWG16のミーティング(2回)参加し、日本の車車間通信の研究動向についてプレゼンテーションを実施した。WG16・CALMにおいても緊急性の高い通信(車車間通信)についての関心が高まっており、欧州がこうした通信のために5.9GHz付近に特別に20GHzを要求している背景もあり、いずれ CALMの一部として取り上げられる趨勢である。すでに車車間通信を対象にしたCALMダイレクトモードについてはドラフト作りが着手されており、上記車車間ARIB標準を今後のCALMに反映させるためにもこの動きの利用を検討すべきである。