ISO/TC204関連の国内および国際活動

1.事業の主旨
 ITSの国際的互換システムの構築を目指して、1992年にISO/TC204(車両交通情報制御システム)が設立され1993年からその活動が開始されている。この分野は、欧米において、活発な研究開発・標準化活動がなされているため、我が国においてもITSの各分野においてISO標準化活動へ積極的に参加し、多くの成果を上げている。本事業は経済産業省が財団法人 日本自動車研究所へ委託した「ITSの規格化事業」の一環として、社団法人 自動車技術会へ再委託された「ITS標準化委員会活動関連対応等の支援及びITS標準化活動促進用データベース情報管理」事業である。

2.事業の実施体制
 平成12年12月に、ISO/TC204に関わる国内活動組織「ISO/TC204国内委員会」が、JIS等の国内規格も含めてITSに関わる標準化全般を取り扱う「ITS標準化委員会」に改組された。改組の主旨は、1)変動する標準化環境への迅速な対応、2)戦略に基づいた標準化作業の実施、3)JIS化作業の補助および、4)情報発信の徹底の4つである。

 改組されたITS標準化委員会の傘下には、下部に常設の調査研究委員会および技術委員会、必要に応じて設置されるITS・JIS原案作成委員会の三つの委員会がある。

 調査研究委員会は、将来のITS標準化項目のフィージビリティスタディを目的とした調査研究の策定と実施に関する委員会であるが、H16年度から活動休止となっている。

 技術委員会はITS標準化活動を実務面で統括する委員会であり、その傘下にISO/TC204の各WGに対応した国内分科会、特定課題について検討するためのビジネスチーム、ISOの他のTC等とのリエゾン等が設置されている。平成17年度は、車車間通信に関して現状行われている諸活動を整理し、日本としての対応を検討する目的で、車車間・車路車間通信システム国際対応ビジネスチームが新たに設置され活動を開始した。また、各WG分科会では、毎年複数回開催される国際会議に対応した活動がなされており、ドラフトの検討、コメントの作成、投票内容の検討など日本の意見をまとめる活動が行われている。さらに、日本から早急に標準化項目を提案することが望ましい分野については、実験や解析を伴う調査研究を実施し、対応分科会で計画検討、進捗管理、成果の評価とその活用を実施している。

 ITS・JIS原案作成委員会は、平成12年度から新たに活動が開始された委員会であり、平成17年度は「低速域周辺障害物警報(MALSO)」及び「車線逸脱警報システム(LDWS)」に関するJIS原案作成委員会が設置され、MALSOについてはJIS原案作成済みであり、LDWSについては平成18年度にかけてJIS原案を作成する。

3.事業の概要
 平成17年度の本委託事業においては、ITS技術の国際標準化に関連して、下記の事業を実施した。

(1)ITS標準化委員会活動関連対応等支援
 1)ISO/TC204国際会議対応と国内活動
 ・ISO/TC204国際会議対応
 パリ総会(2005年4月21・22日)とポートランド総会(2005年11月3・4日)が開催され、両総会には、川嶋委員長を代表とする日本代表団が参加した。パリ総会では、規格の理解・普及・活用に向けた新基軸としてのアウトリーチ、APEC-Stage I 調査への協力、TC22とTC204の連携問題、eCallの規格化、WG関連、リエゾン関連、ISO/TC204事務局関連などについて審議された。

 また、ポートランド総会では、各WGからアウトリーチへの提案、APEC-Stage I 調査の結果報告、TC22からTC204とのJWG新提案、WG関連、リエゾン関連、TC204事務局関連などについて審議された。特にTC22との連携については、JWGにTC204/WG14、TC204/WG16と新たにTC204/WG4を加えたいというTC22側からのJWG提案があり、TC204として合意した。TC22の総会でも合意が得られ、今後具体的な進め方を調整することになった。

 なお、日本がコンビーナをつとめるWGはWG3とWG14の2つである。

 ・国内活動
 平成17年度の各国内委員会開催状況は以下の通りである。
 まず、ITS標準化委員会を合計4回および技術委員会を6回開催した。また、これら以外に分科会、ビジネスチーム(平成17年度から新たに車車間・車路車間通信システム国際対応ビジネスチーム設置)等も多数回開催され標準化項目の検討が積極的になされた。さらに、中長期計画策定タスクフォースを立ち上げ、中長期計画・標準化効果評価の検討を行っている。
 平成17年度中におけるTC204における投票件数は合計38件であり、関係分科会で検討された後、技術委員会で審議され、日本としての回答をISO/TC204事務局およびISO中央事務局に送付した。なお、DIS投票とFDIS投票は、それぞれ6件(投票内容検討中も含む)、国際規格発行は5件(WG4関連3件、WG9関連2件)であった。
 さらに、ITS関連分野の関係者にISO/TC204の標準化の現状を説明し、対応策について検討することを主たる目的として、WG4国際標準化活動に関する専門家会議を開催した。

 2)ITS標準化活動促進用データベース情報管理
 平成17年度のITS標準化データベースの主な実施内容は、(1) 国際会議や国内委員会関連のタイムリーな情報提供、(2) ITS標準化データベースの必須項目調査 、(3) WG14におけるファイルボードの運用である。