基準認証研究開発事業
ITS車載システムアーキテクチャのISO提案

 セカンドステージを迎えてITSの応用範囲が拡大するため、様々なITSサービスに対応できるプットフォーム、特に多目的ITS車載器への取組みが世界的に活発になってきている。ITSサービスは元来、様々な技術の融合や官民を含む多くの関係者の協調によって実現されるものであるが、セカンドステージでは一層高度な融合や協調が求められ、関係者の円滑な協力によって開発を効率化するための開発基盤や、ユーザーの負担にならないようにサービスの発展を可能にする技術基盤がますます重要なものとなる。

 この分野での我国の先進的な取組を世界に発信し、また、世界と協調しつつ、競争と協調の境界を議論しながら開発を進めるために、基本となるシステム概念の共有化が必要であり、そのために必須の参照アーキテクチャを構築して国際標準化することができないか、その可能性や道筋について研究を進めた。

 このために、進行中の多目的ITS車載器関連プロジェクトに参加しているメンバ、JIS TS D 0003「ITS車載システムアーキテクチャ」の開発に携わったメンバなどを中心とするITS車載システム参照アーキテクチャ研究委員会を組織し、まず、関連プロジェクトの概要調査、ISO/TC204における関連活動の調査などを行った。

 続いて、参照アーキテクチャの記述方法について、我国の関連プロジェクトで検討中の多目的ITS車載器のイメージをもとに、JIS TS D 0003「ITS車載システムアーキテクチャ」でのアーキテクチャ記述法などをベースとして事例研究をおこない、さらに各プロジェクトの車載器イメージに共通の参照アーキテクチャのあり方について考察を進めた。

 その結果、技術的に先行している我国からの国際貢献および我国の国際競争力確保の視点から、ITS車載システム参照アーキテクチャを速やかに国際規格化する必要性が高いことが確認されるとともに、参照アーキテクチャの記述法についてはまだ研究要素があり、特に、規格化対象のモデル化の視点を洗い出して整理する必要性があることなどが課題として指摘された。

 国際規格案の提案先に関しては、TCとしてはISO/TC204(ITS)が適切と考えられるものの、提案先WGに関しては、今後のアーキテクチャ記述法の研究と並行して柔軟に考えるべきであると結論づけられた。これはISO/TC204が、すでに確立した技術に関する標準化ではなく、主として発展途上技術に関する標準化を進めていることから、そのWG構成についても確固とした体系ができているわけではなく、各WGの作業内容も流動的な要素が強いためである。

 今後の課題として、前述の参照アーキテクチャ記述方法に関する研究を早い段階からTC204における国際活動として推進すると共に、市場投入が間近な個別製品の重点仕様項目について、これに係る国際標準化を並行して検討すべきことなどが挙げられた。