-ITS 車載機器標準化のための要素機能と試験方法に関する調査研究-
側・後側方障害物警報システム(SOWS) の基準策定に関する調査研究

SOWS(Side Obstacle Warning Systems;側・後側方障害物警報システム)とは、隣接車線上の走行車両や障害物を検知し、車線変更等により衝突の危険性が生じた場合に警報を呈示し、ドライバの注意を促すシステムである。このシステムを警報対象別カテゴリで分けると、自車側方(ピラー等によるドライバの死角近辺)の隣接車両の存在を知らせる「死角警報(Blind Spot Warning)」と後側方からの車両の接近を知らせる「車両接近警報(Closing Vehicle Warning)」に分類される。1990 年代前半、死角範囲の広い大型車両への搭載を目的に、超音波センサを使った装置が市販化されたが、障害物の検知精度が不十分であったため、不要警報や誤警報が頻発し、実用的に十分とはいえないものであった

近年、画像処理やレーザレーダ等を用いたセンシング技術の向上に伴い、隣接車両との車間距離や相対速度の関係から車線変更時の衝突/非衝突条件を定式化した研究や、複数のCCD カメラを用いて後側方の接近車両を検出する技術などが開発され、再びSOWSの実用化に向けた動きが活発化してきている。この流れを受け、ISO/TC204/WG14 ではSOWS のPWI 提案が可決(ISO 化すべきアイテムとして承認)され、FVCWS(Forward Vehicle Collision Warning Systems;前方車両衝突警報システム)やLDWS(Lane Departure Warning Systems;車線逸脱警報システム)等と同様に、ITS 機器の一つとして標準化が進められることになった

SOWS のような警報システムを開発/標準化する際に必ず議論される点が、警報発生タイミングの問題であり、“安全性の確保”と“煩わしさ感の低減”という相反するテーマを両立させるよう設定することが重要となる。本研究では、SOWS 標準化ドラフトにおける警報発生基準策定のための検討用データを収集することを目的に、ドライビングシミュレータを用いた車線変更実験を実施した。ドライビングシミュレータを利用することで、警報呈示タイミングを統制できるとともに、衝突の危険性が高い状況下での車線変更の実施が可能となる。本実験で得られた結果を解析し、SOWS 警報に対するドライバの操舵反応時間、および警報発生条件の違いがドライバ操作や主観評価に及ぼす影響について調査した

第1章 はじめに

第2章 先行車制動時の車線変更実験
 2.1 実験方法
 2.2 実験条件
 2.3 試験車両とドライバ
 2.4 計測項目と主観評価

第3章 ドライビングシミュレータ実験結果
 3.1 時系列波形と算出データ指標
 3.2 条件設定の妥当性
 3.3 実験条件別の比較検討

第4章まとめ

参考文献

付録
 全取得データの時系列波形一覧