-ITS 車載システムアーキテクチャの活用に関する調査研究-
【ITS 車載システムアーキテクチャの普及およびメンテナンスに関する研究】

ITS 車載システムアーキテクチャ(以後、車載SA と呼ぶ)は、ITS で実現すべき機能や開発分野において必要とされる機能を基本要素に分割整理し、それらの関連を明らかにすることによって基本要素単位や分野毎に開発を進める際に機能的な相互連携を確保し、ITS の円滑で効率的な発展を目的として策定された

車載SA の開発は、日本のITS のナショナルアーキテクチャである「高度道路交通システム(ITS)に係るシステムアーキテクチャ」(以後、日本のSA と呼ぶ)構築の一部を担うものであり、車載システムに関する国際的な標準化領域の検討に活用されてきている

車載SA は平成11 年3 月に完成しているが、これに対する活用やメンテナンスに関する検討を継続して行うことにより、常に利用可能な状態に維持していくことが必要である

特に、車載SA では技術進展が著しい車載機器や情報・通信分野に関する機能を詳細に記述するアーキテクチャであるため、これを利用可能な状態に維持するためには、完成後の新しい技術・方式の進展を逐次反映させていくことが不可欠である

このような背景の下、平成12 年度より、車載SA の活用・メンテナンスについて検討するために、車載SA メンテナンス審議会が組織されている

日本のSA 及び車載SA とも平成11 年に完成して以後、普及・活用の段階に入っている。日本のSA については、ITS Japan により各地でセミナーが開催され、地域への普及が図られてきている。また、平成13 年度より、地域におけるITS サービスの効率的な展開をサポートするツールとして、日本のSA に基づいた「地域アーキテクチャ」の策定が開始されている

一方、車載SA については、財団法人自動車走行電子技術協会(以後、JSK と呼ぶ)による標準化に関するプロジェクトの中で、様々な応用研究が行われている。また、完成以後の技術的、社会的進展に対処し、常に利用可能な状態に維持することを目的としたメンテナンスのための審議会も発足させている

車載SA は日本のSA における車載部分を詳細化した、システムアーキテクチャのサブセットであり、車載機器に関する標準化は勿論のこと、「地域アーキテクチャ」に代表されるような、ITS の実展開に対しても積極的に貢献していくことが必要である。
このような理由から、今年度の車載SA メンテナンス審議会では、我が国におけるITSの展開に貢献していくための活用及びメンテナンスのあり方を検討した

今年度の活動では、平成12 年度に引き続き、専門家によって車載SA メンテナンス審議会を組織し、下記の項目について検討を実施した

(1) 車載SA の意義の整理
ここでは、車載SA の構築当初の目的だけに拘らず、システムアーキテクチャが本来備えている意義を整理する。これは、車載SA が日本のITS 展開に寄与していくために要件についての検討の基礎となる

(2) システムアーキテクチャを取り巻く状況の整理
ITS の実展開の観点からシステムアーキテクチャを取り巻く状況を整理する。ここでは、車載SA と日本のSA の関係についても検討を行う

(3) 車載SA における課題の抽出
車載SA が構築された目的を達成するために、車載SA が持つ意義とこれを取り巻く状況を踏まえた上で、取り組むべき課題を抽出する

(4) 車載SA の活用・メンテナンスへの提言の検討
車載SA がITS の実展開において有効に機能することを目的とした活用・メンテナンスへの提言についての検討を行う

第1章 はじめに
 1.1 背景
 1.2 目的
 1.3 今年度の活動概要

第2章 ITS 車載システムアーキテクチャの意義
 2.1 構造
 2.2 効用
 2.3 役割

第3章 ITS 車載システムアーキテクチャを取り巻く現状
 3.1 関連団体から見た状況
 3.2 応用活動から見た状況
 3.3 活用とメンテナンスにおける状況

第4章 ITS 車載システムアーキテクチャの課題と今後の展開
 4.1 課題
 4.2 今後の展開例

第5章 活用・メンテナンスへの提言
 5.1 メンテナンスの方向性
 5.2 活用への提言

第6章 まとめ