-ITS 車載機器標準化のための要素機能と試験方法に関する調査研究-
ドライバの受容性を考慮した運転支援システムの調査研究

21 世紀を迎えた近年、ITS 車載機器は、情報提供や警報を呈示するだけの装置にとどまらず、ドライバ操作の一部を代行・補償する運転支援システムの市販化段階へと進んできている。その代表的な例が、設定した車間距離(車間時間)に応じて車速を制御するACC(Adaptive Cruise Control Systems)や走行レーンを認識して車線追従に必要な操舵トルクをアシストするLKS(Lane Keeping Support Systems)である

これらのシステムは、主にドライバの運転負荷低減や利便性向上を目的としているが、緊急時の安全性向上を目指したシステムとして、自動ブレーキによる衝突回避支援システムFCAAS(Forward Collision Avoidance Assist Systems)の開発も活発化してきている

運転の一部を代行したり、あるいはドライバの操作に介入する運転支援システムを開発する際には、“ドライバの期待に整合した違和感の無い制御動作”、“ドライバ操作と干渉しない制御開始タイミング”、“システム動作情報のドライバ理解を容易とするHMI”、および“ドライバのシステムに対する過度の依存や過信を防ぐための制御手法”など、クリアしなければならない数多くの問題が存在する。これらの課題を解決し、ドライバや社会に受け入れられる運転支援システムの実現に向け、今後はシステム受容性に関する総合的な評価手法について確立していくことが重要となってくる

本調査研究では、ドライバの運転に役立ち、かつ運転を阻害しない運転支援システムの受容性評価の標準化を見据え、国内外の自動車/航空/人間工学分野における先行研究事例について文献調査を実施した。さらに、具体的なシステム事例として、ISO/TC204/WG14での標準化作業が開始されたFCAAS(6)を対象に、ドライビングシミュレータ実験により、システム性能と事故回避効果との関係、およびドライバ操作との干渉問題等について調査を行った

第1章 はじめに

第2章 文献調査
 2.1 運転負荷軽減システムにおける評価手法の現状
 2.2 HMI におけるシステム評価手法
 2.3 FCAAS に関する調査

第3章 ドライビングシミュレータ実験
 3.1 実験方法
 3.2 実験条件と実施手順
 3.3 試験車両とドライバ
 3.4 計測項目

第4章 実験結果
 4.1 回避行動の類型化
 4.2 システム作動状況の分析
 4.3 回避行動分析
 4.4 反応時間分析
 4.5 FCAAS の被害低減効果に関する分析
 4.6 FCAAS の制御開始タイミングに関する考察

第5章 まとめ

参考文献