-ITS 車載機器標準化のための要素機能と試験方法に関する調査研究-
ITS 車載システムアーキテクチャの活用とメンテナンスに関する調査研究

ITS のシステムアーキテクチャは、ITS 全体像を明確にし、ITS の枠組みを共有化することを目的として、1996 年に米国(US DOT:連邦運輸省)が世界に先駆けて発行した。その後、着実にメンテナンスが重ねられ、2002 年の第4 版が発行されるに至っている

このような背景の中で、1999 年には我が国においても旧5 省庁によって「高度道路交通システム(ITS)に係わるシステムアーキテクチャ」(以後、日本のSA と呼ぶ)が完成した。ITS 車載システムアーキテクチャ(以後、車載SA と呼ぶ)は、日本のSA の一部を担うアーキテクチャであり、ITS の円滑かつ効率的な発展を目的として1998 年に(財)自動車走行電子技術協会(以後、自走協と呼ぶ)により策定された

車載SA では、ITS で実現すべき機能を要素毎に分割整理し、お互いの関連を明確にすることによって基本要素単位や分野毎に開発を進める際の、機能的な相互連携を確保している。車載SA は、平成11年3 月に完成しているが、常に利用可能な状態にするためにメンテナンスを継続して行うことが求められている。特に、技術進展が著しい車載機器や情報・通信分野に関する部分については、新しい技術・方式の動向を逐次反映させていく必要がある。なお、メンテナンスに際しては、該当分野に見込まれる需要、国際的な動向、実現の見通し等に関する客観的な根拠に基づき、車載SA 構築時と同等の手順を踏むこととしている

車載SA に対するメンテナンスや普及については、平成12 年度より、専門家によって組織された「車載SA メンテナンス審議会」において、検討が行われてきているが3、今後も継続的な議論が望まれている

本研究は、想定シナリオ及び標準化ガイドラインのメンテナンスに向けた調査・検討を目的として実施された

想定シナリオは、車載SA において「論理モデル4」から「物理モデル5」を作成する際に利用されている。「物理モデル」作成では、サービスを実現する方式や機能の物理的な配置を、「方式モデル」によって評価しているが、想定シナリオはそれに対する客観的な根拠を与える役割を果たしている。幅広い技術領域を包含する想定シナリオに対して適切なメンテナンスを実施していくためには、変化が激しいと思われる分野のみに特化したメンテナンスではなく、想定シナリオ全体(ITS サービス全体)を対象にした包括的な検討が必要である。本調査研究は、想定シナリオに対する包括的な見直しの実施に向けた事前調査に位置付けられるものである。ここでは、想定シナリオに関する問題点の整理を行い、今後のメンテナンスを実施すべき領域や調査内容の検討に資するための情報を得ることを目的とする

また、今年度はこれと平行して、標準化ガイドラインの見直しに向けた検討も行った。標準化ガイドラインは平成11年度に車載SAを基に、国際的な標準化提案を公共的かつ客観的に行うための情報基盤を目指して策定されたものである。これに関しても、関連分野の動向に整合した見直しに向けた検討を実施した

今年度は、客観的な材料(根拠)に基づいた調査を中心に実施した。調査に当たっては、ITS 想定シナリオが策定された1998 年以降の技術の進歩、制度の改正等を主な対象とした

実施項目は以下の2 項目とする

(1) ITS 想定シナリオの点検
「ITS 想定シナリオ」を点検し、技術の進歩、制度の改正等に関する調査により、改訂が必要と思われる箇所を整理する。点検に際しては、ITS 車載機器・システム(MobileSystem)委員会からの意見等を参考に検討を進めた

(2) 標準化ガイドラインの見直し
平成11年度に策定された「標準化ガイドライン」について、その後の標準化動向、技術動向を勘案し、見直しについて検討する

なお、本調査研究の実施については、平成13 年度と同様にITSの専門家によって構成された審議会を組織し、これらの項目に関する検討をして頂いた成果を報告書として取り纏めた

第1章 はじめに
 1.1 研究の背景
 1.2 研究の目的
 1.3 今年度の活動概要

第2章 ITS 想定シナリオに関連した動向
 2.1 事業環境ロードマップに関する動向
 2.2 ITS サービス全般に関する動向
 2.3 各サービス別ITS 想定シナリオに関する動向
 2.4 ITS 想定シナリオに関する動向のまとめ

第3章 標準化ガイドラインの見直しに関する検討
 3.1 標準化ガイドライン策定の目的と経緯
 3.2 見直しの必要性
 3.3 見直し方法について
 3.4 「標準化重点分野」の概要

第4章 まとめ
 4.1 ITS 想定シナリオに関する動向
 4.2 標準化ガイドラインの見直し

付録
 世界のテレマティクス動向−市場予測