設立20周年記念誌

(財)自動車走行電子技術協会は、1999年9月1日に設立20周年を迎えました。通商産業省の大型プロジェクト「自動車総合管制技術」の成果の普及促進と技術開発を目的として設立された団体ですが、関係者の暖かいご支援を得て順調に成長し、現在では、わが国のITS技術振興の中核的機関として内外の評価を確実なものとするに至っております。歴代の関係者のご尽力に心から感謝申し上げます

20世紀の自動車は、豊かで便利な社会の構築に大きく寄与しましたが、反面、交通事故による死亡者が年間1万人、交通渋滞による国民の経済的損失は12兆円、時間的損失は56億人時間にもなり、その排出ガスは地球温暖化などの環境汚染の元凶となっています。21世紀の自動車産業の課題は、これらの国民生活に重大な影を投げかけている交通問題の解決でありますが、ITS技術は、これらの問題解決に大きな力を発揮するものと期待されています

また、ITSは、新産業の創出、社会の情報化の推進、更にはモバイル・マルチメディア社会構築のための先端的技術としても大きく期待されています。ITS関連産業は、自動車産業と情報通信産業の融合領域に創設される新産業分野であり、21世紀には、成熟した自動車産業に代わるリーディング産業と位置付けられています。また、モバイル・マルチメディア社会の交通・輸送システムは、ITSの進展により、インターモーダルな交通システムとなり、旅客輸送の分野にあってはシームレスな交通システム、物流分野にあっては電子商取引の進展と協調した新しいロジスティックス・システムに発展し、その社会的意義は大きく変化するものと予想されます

21世紀の情報化社会において、ITSが期待どおりの確実なものとなり、新しいクルマ社会の構築に貢献するためには、人材の育成、研究開発体制の整備、規格化・標準化の推進、制度・規制の見直し、国際協調の推進等基盤分野の整備・充実が求められます。これらには自走協の守備範囲を超えるものもありますが、理事会をはじめ、賛助企業の皆様のご支援を得て、期待されているITS社会の構築に全力を挙げて取り組みたいと思います

第1部 自走協20年の歩み
 第1章 自動車総合管制技術プロジェクト(自走協設立以前)
 第2章 高度交通情報システムを目指して(1979〜1990)
 第3章 高知能自動車交通システムを目指して(1990〜1998)

第2部 自走協の概要
    協会活動概要
 1.調査研究事業
 2.試験研究事業
 3.規格化関連事業
 4.技術交流促進事業
 5.展示・広報事業

第3部 資料
    協会組織概要
    組織図
    役員一覧
    研究・調査報告書一覧
    年表
    自動車高度情報化研究会一覧
    賛助員一覧

20周年記念論文公募 最優秀論文
 ITS産業の確立を目指して−新しい価値創出のシナリオ−
 (株)デンソー 木本 正介氏 
 シームレスな交通システムの確立をめざして
  日産自動車(株)谷口 正明氏