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記事詳細:Detailed Article

JARI Research Journal (2012~)安全/Safety

資料名 / Title

JRJ20160601 研究速報
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高度自動運転における権限移譲方法の基礎的検討 (第1報)-自動運転時の覚醒度低下や運転以外の作業と権限委譲時のドライバ対応行動-
Basic Study on Transition to Manual from Highly Automated Driving (First Report)-Effects of Drowsiness and Non-Driving-Related-Tasks and Driver Behavior When Take-Over-Requests Were Provided-

本間 亮平,若杉 貴志,小高 賢二
Ryohei HOMMA,Takashi WAKASUGI,Kenji KODAKA

米グーグル社の自動運転事業参入などが発端となり,自動運転への関心が高まる中,日本政府も自動走行システムの実現に向けた検討に着手している.自動運転システムの開発には,周辺の交通状況を検知するセンサ類やマップ技術の向上,安全で安定的な車両制御方法など多くの技術的な課題が挙げられる.また,ドライバとシステムとのインタラクションについて人間工学的課題が指摘されている.
 自動運転の実現に向けて,自動化レベルの定義に関する検討が各所で行われ,既にSAE(Society of Automotive Engineers),OICA(Organi- sation Internationale des Constructeurs d'Auto- mobiles)やNHTSA(National Highway Traffic Safety Administration)などから公表されている.これらの定義では,レベル0を手動運転,レベル4あるいは5を完全自動運転として,自動車における自動化レベルをドライバとシステムの役割の観点から整理している.レベル1は,ACC(Adaptive Cruise Control)やLKA(Lane Keeping Assist)の単独使用の状態のように,前後方向あるいは左右方向のどちらか一方の車両制御をシステムが行い,それ以外の車両制御と交通状況の監視をドライバが担う.レベル2では,前後方向および左右方向の車両制御をシステムが行い,ドライバは交通状況を常に監視することが求められる.このとき状況変化などによってシステムの機能限界が生じた場合,ドライバは直ちに運転を替わり安全を担保する責任がある.レベル3では,特定の状況下で全ての運転タスクをシステムが行うため,ドライバが常に交通状況を監視する必要はなくなるが,システム機能限界時や故障時には,ドライバの対応が求められる.
 システムが運転タスクを代替する割合が増えていくと,ドライバの運転に関する作業負荷が軽減され,これが自動運転による利点の一つといえる.一方,人間の情報処理資源(リソース)は覚醒度の状態に応じて概ね一定との考え方があり,運転の作業負荷が軽減されるとリソースに余剰が生じ,運転以外の作業へ従事したり,覚醒度が低下したりすることが指摘されている.また運転との関わりが減少するため,状況認識すなわちSA(Situation Awareness)の低下も指摘されている.SAは主に航空分野で用いられ,意思決定前を異常の知覚(L1),状況の理解(L2),予測(L3)の3段階に分類した概念である.SAの低下は,システム正常時には問題とならないが,機能限界時や故障時におけるドライバの対応に影響することが懸念される.従って,自動運転から手動運転への適切な移行(権限移譲)方法の検討は,重要な課題といえる.
本研究は,SAEのレベル3を想定した自動運転中に,システムが機能限界となった際の適切な移行方法の検討を目的とする.具体的には,ドライビングシミュレータ上で,自動運転システム正常時におけるドライバの運転以外の作業への従事と覚醒度の推移を観察調査した.さらに,車線規制によるシステム機能限界時におけるドライバ対応行動を調べ,権限移譲における課題を抽出した.
We conducted a driving simulator experiment to observe the behavior of drivers during normal operation of a highly automated driving system and to investigate the drivers’ behavior when accepting the system’s request for manual driving. During approximately 25 minutes of automated driving, drivers usually felt drowsy, unlike during manual driving. Furthermore, non-driving-related tasks such as drivers using a mobile phone were observed. At the end of the run, there was a construction site where a lane change was required because the automatic driving systems reached the limit of their functions. The timing of starting the lane change was significantly later in the 2-sec condition than in the manual conditions. No significant difference was observed in the 5-sec and 10-sec conditions, however, a few high-risk lane changes were observed. We suggest that the method for generating the request to shift from automated driving to manual driving should be considered.

種別 / Article Type

JARI Research Journal (2012~)

資料名 / Title

JRJ20160601 研究速報

発行年月 / Date of Issue

2016/06

分野 / Field

安全/Safety
ID:6866
 

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