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記事詳細:Detailed Article

報告書/ReportIT・エレクトロニクス応用/IT & Electronics

資料名 / Title

92-1

自動車走行のための情報処理・通信システムに関する試作研究(その4)

電子技術の飛躍的な発展は、自動車に関してもエレクトロニクス、情報処理・通信技術の総合的な利用を可能にしつつある。一方、高度情報化、高齢化、国際化等の言葉で示されるように、社会・経済の変化も急速であり、これに伴い自動車の安全性、利便性、快適性等に関する機能高度化の要求は最近とみに高まってきている。
こうした状況の中で、自動車が社会システムとして、生活に社会にまた経済活動に一層調和したものになることを目指して、近未来に関する自動車の情報化を円滑に促進させる必要がある。本研究はこの考え方を踏まえて、車が具備すべき情報機能の検討、共通技術の洗い出し、および標準化の方向を検討しようというものである。具体的には、将来、様々な応用システムが自動車に搭載されることを予想して、情報収集系における車載装置の機能構成やインタフェースの在り方についての関係方面の技術的コンセンサス作りや標準化の方向の検討が最終目標であるが、現段階は、そのための基礎的知見の収集と課題発掘のフェイズである。
将来の自動車利用にあっては、自動車自体が人-車系の機能、交通情報システム、あるいは業務用システムを発展させるための情報源になり得るとして、次のテーマを取り上げた。
(1) 自動車走行調査用システムの研究
(2) 経路選択に関するドライバ特性調査用ツールの開発
(3) 走行状態解析・判定方法の研究
(4) 走路環境調査への画像処理技術の応用に関する研究
(5) 走路環境調査機能の研究(伝送系)

I 自動車走行調査用システムの研究(その4)
 インフラ設備を利用して、自動車に必要な情報を提供するシステムが民間企業と共同で関係省庁を中心に進められているが、実用化に至っていないのが実情である。本研究においては、この情報提供の基礎となる情報入手手段について着目し、多くの情報を持つ自動車自身を情報源として利用することで考えられるアプリケーション(運行管理システム)についてモデルシステムを試作し実験を行った。
 本研究は、インテリジェント化の進む自動車においては、将来自らの走行状況やその履歴についてのデータを様々な形で利用出来るようになるとの見通しのもとに、これらの情報を積極的に利用して、一層、安全・円滑・快適な次世代の自動車走行の実現を目指すものである。特に、商用車運行管理システムがこうした動きをリードするものであるとの判断からモデルシステムを開発し、情報の収集、発信そして蓄積方法についての知見を得ることを目的に行なった。
 今年度は前年度システムの改良を検討する中で、次の課題にポイントを置いて検討を行った。
1.車両情報による交通情報収集方の検討
 ・旅行時間の計測および記録
 ・渋滞、インシデント等の検知
2.地上施設との協力による交通情況調査手法の検討
3.道路情報のディジタル化の検討(ツールの開発)

 本報告書は、前年度までに開発したシステムを紹介しながら、平成4年度研究成果について合わせて報告するものである。

II 経路選択に関するドライバ特性調査用ツールの開発
 ナビゲーションシステムや道路情報提供システムの発展に伴い、ドライバの行動を研究することが、今後、各システムで重要な課題となっていると考えられる。そのため、昨年度は「車載モニタの表示内容によるドライバ行動の分析・検討」と「ドライバの提供情報に対する行動の収集方法に関する研究」を実施した。今年度は、前者の調査を多くの人を対象にできるようにドライバ特性調査ツールの機能の改良と必要なソフトウェアの試作研究を行った。91年度の研究に用いたOD(中野坂上~札の辻)でのアンケート調査ツールをパソコンに移植し、かつ、種々のODについてアンケートを行うことができるようにし、様々な地域を想定した経路選択特性が調査できるようにした。この調査ツールは、主にアンケート調査機能とアンケート結果の集計機能から構成されている。

III 走行状態解析・判定方法の研究(その3)
 本研究は、まず車両状態、特にエンジンの動作状態に着目し、エンジンの点火に伴うエンジン振動の計測によるエンジン状態判定の可能性を探ろうというものである。昨年度までの研究で、データ収集実験をとおして得られたエンジン振動信号の周波数解析により、正常状態と異常状態の周波数スペクトルにおける特徴を明らかにした。本年度は、正常/異常状態の判定のみならず、異常状態の分類の可能性を探る。そのため、エンジン状態判定のための適切な特徴量・アルゴリズムの検討を行う。
 本研究は、エンジン故障(不良)をとらえるための物理量としてエンジンの点火に伴うエンジン振動に着目したエンジン状態判定方法の検討を行うものであり、この検討を通じ、音響・振動による故障診断システムの設計ならびにデータの時系列分析に関する基礎的な知見を得ることを目的とする。

IV 走路環境調査への画像処理技術の応用に関する研究
 近年、画像処理技術の運転環境認識への応用の進歩が著しい。これに伴い自動車交通の安全、効率の向上を目指した運転支援、自動運転技術の開発が活発化してきた。自動車が今後も有効な交通手段として認められていくためには交通安全、交通制御、運転支援などに関して飛躍的な機能、性能の向上を図り、安全、効率的、さらに快適な自動車を実現していく必要がある。そのためには自動車本体の高知能化がキーテクノロジの一つになるものと考えられる。
 これらの技術を開発していくためには、研究ツールとして運転環境認識情報を収集する装置、および収集情報を繰り返し同じ状態で再現できる編集装置が必要である。本報告書では、この研究ツールの開発を目指した収集装置のプロトタイプが完成したので報告するとともに、編集ファイルフォーマット仕様(案)についても報告する。

V 走路環境調査機能の研究(伝送系)
 将来の高知能化走行においては、スーパースマートビークルシステム(SSVS)の調査研究でも指摘しているように、センサ、アクチュエータのインテリジェント化およびそれらに基づく協調制御が重要になる。高知能化走行を実現していく上で必要となる車両内のデータ伝送系、すなわち車内のLANの基本特性である応答性について、基礎データの収集と知見を得ることが重要と考えられ、本研究を実施した。
 本研究の目的は、SSVSのような高知能化走行機能を実現する場合に必要とされる車内LANの応答性について解析し、基礎データの収集および設計の指針を得ることにある。本研究は下記3項目の検討を行い、車内LANにおける応答遅延時間を信号量、ノード数をパラメータとして評価し、応答性の目安を得るものである。
 なお、将来の高知能化走行システムはそのシステムのレベル、構成方法等で自由度が大きく、現時点では固定しにくいため、応答性評価の対象システムとしては現在の車両制御システムをベースとし、信号量がその定数倍毎に増えた場合の応答性を評価することにより、応答性の目安を得ることを当面の目標とした。また車内LANプロトコルとしては、現在世界的に標準化が進んでいる1Mbpsの非破壊調停型CSMA/CDアクセス方式と、他のアクセス方式としてトークンパッシングバス方式を選定し、両者を比較しながら評価を実施した。

種別 / Article Type

報告書/Report

資料名 / Title

92-1

事業種別 / Type of Business

補助(2007年~最新)/Subsidy

発行年月 / Date of Issue

1993/03

分野 / Field

IT・エレクトロニクス応用/IT & Electronics

分野詳細 / Detailed Field

研究開発/車載機器
ID:7956
 

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