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記事詳細:Detailed Article

報告書/ReportIT・エレクトロニクス応用/IT & Electronics

走行路表示の認識性能向上に関する研究 -平成7年度~平成10年度-(フェーズI)

(報告書は非公開)
【第一部】 研究報告集

I.平成7年度「次世代走路表示/認識技術研究会」
 21世紀の初頭から実現が期待されるITS(高度道路交通システム)においては、危険警告/回避や自動運転などの先進車両制御システム(AVCS)の開発が重要な課題となっている。このようなAVCSの実現には、路上の障害物や走行路認識などの環境認識技術の信頼性確立が鍵となるが、中でも悪天候下での走行路認識は最も困難な課題の一つである。走行路(レーンマーク)の認識は、現在のところ画像センサによる路面白線の検出によっているため夜間や雨、霧などの悪天候下ではその認識が困難なものとなる。このようなレーンマークの視認性の低下は、ドライバにとっても重大な問題となっている。このためドライバにも見え易く、且つ環境認識の信頼性も向上させることができる次世代走行路表示/認識技術の研究開発が望まれている。
 そこで本研究では先ず天候条件と走行路認識の性能要件から現状技術の問題点を分析し、これに基づき次世代技術の候補を選出した。次にこれらの技術の評価を行うために、ドライバの視認性と画像検出について光学的な理論解析手法についての考察を行った。そしてこれらの分析に基づき第1段階として、夜間の乾燥および湿潤時のレーンマークの認識に関する基礎実験を行った。

II 次世代走路環境認識システムの構築と機能確認実験(平成8年度)
 次世代自動車の高度な走行システムを実現するためには、車載の環境認識システムの信頼性を向上させることが鍵であり、特に夜間や悪天候下における走行路表示・認識技術の開発が大きな課題となっている。前年度の研究「走行路表示の認識性向上に関する研究」では、夜間および雨天時の湿潤路面において走行路認識の実験を実施し、車両の前照灯の高機能化や高輝度レーンマークを使用することにより、画像センサによる走行路検出が技術的に可能なことを確認した。しかし実際の道路環境を考えると、悪天候下における視環境の悪化が依然として大きな問題として残されている。
 特に霧については高速道路が閉鎖されるなど、道路交通に与える影響が大きいにもかかわらず、霧発生時の道路面とレーンマークの輝度分析の変化や画像センサの能力限界については充分な研究が行われていない。このため今後の走行路表示・認識技術の開発のためには、まず実道路における霧発生時の走行路の視環境を調査する必要がある。このような背景から本研究の目的を、霧の発生条件下で使用できる車載型の走行路環境計測システムの開発においた。

III 次世代走路環境認識システムの構築と機能検証実験(平成9年度)
  -実環境下における走行路認識性能に関する研究と実験-
 高度な走行支援システムを備えた次世代自動車を実現するためには、車載用の環境認識システムの技術を確立することがキーテクノロジーである。このような環境認識システムにおいては悪環境、特に夜間や霧発生時の走行路表示・認識技術の信頼性の向上が大きな課題となっている。本年度の研究では、前年度に開発した走行路環境計測システムを用いて霧によるレーンマーク認識性能の低下を実環境下にて実験解析することにした。
 本実験は実環境における、
 ・レーンマークと路面の輝度コントラストと霧濃度との関係を調査する
 ・霧濃度とレーンマークの目視距離との関係を把握する、
ことを目的に実施した。
 このために実験では、霧の濃度を連続的に測定しながら同時に路面とレーンマークの輝度コントラストの分布を計測した。霧が発生すると光の減衰により、路面とレーンマークの輝度コントラストは距離と共に低下する。この減衰特性から画像式センサによるレーンマーク認識の限界距離を推定することができる。また目視によるレーンマークの認識距離を測定することにより、視程値と輝度コントラストの関係も明らかにすることができる。また実験では、反射輝度の異なる3種類のレーンマークを比較評価すると共に、ヘッドライトのビームパターンの影響についても調査を行った。

IV 実道路におけるレーンマークおよび路面の光学特性の現状と調査解析(平成10年度)
 自動車の運転者にとって見えやすく、なおかつ走路自動認識システムを目的とした画像センシングも可能なレーンマークはITS時代の走行路表示/認識技術の重要な要素である。特に夜間や霧発生時のような悪環境においてレーンマークを認識する技術は安全な自動車交通を確保する観点からも必要な技術である。運転者の視環境を支援するとともに次世代ITS自動車交通を実現するためには、車載用の視環境計測システムは必要不可欠な技術である。本研究では環境計測システムとして画像センサを用いた方法に着目し、その性能評価の研究を行っている。
 本年度は実道路における路面とレーンマークの光学的特性の現状調査を行うことにした。CCDカメラによる輝度測定システムを構成し、実道路での路面とレーンマークの光学的特性の測定を行うことにした。この調査によって現状の把握を行い、道路環境の問題、道路環境計測システムの問題などを明らかにし、道路環境計測システム構築のための基礎的データを収集する。平成9年度までの研究によって画像センサを用いて走行路表示(レーン白線)を検出するための条件として路面と白線の輝度コントラストが0.2以上であることを一応の目安として見出した。実環境での路面とレーンマークの輝度コントラストを調査することによって実環境における輝度コントラストのバラツキを把握するとともに作成した画像センサによる環境計測システムが実環境における輝度コントラスト変化に適用できるかの性能評価の基礎的データを収集する。ここでは、多種多様に存在する実道路の中から測定道路を3種類の道路:高速道路、郊外の一般道路、市街地の一般道路とした。

【第二部】 研究の概要と成果

 画像センサを用いた道路レーンマークの検出は、ITSにおける重要な要素技術の一つとなっているが、悪天候などの視認性の低下した状況での信頼性の確保が課題として残されている。一方、このような状況におけるレーンマークの視認性の不足はドライバにとっても安全上の重大な問題でありその改善が望まれている。このような状況をふまえて、(財)自動車走行電子技術協会の次世代走路表示/認識技術研究会においては、レーンマークの人の目への見え易さとマシンビジョン(画像センサ)による検出の容易さをあわせてレーンマークの認識性能と呼ぶことにし、その向上に関する研究に取り組んでいる。
 研究活動は平成7年度から開始し、レーンマーク認識性能の啓善技術の評価、レーンマーク光学特性の計測方法、霧による認識性能低下の調査など、主として実験的な調査研究を実施してきた。これまでの研究により多くの知見を得ることができたが、今後さらにドライバ視覚およびマシンビジョンの両方を考えたレーンマークの認識性能の改善を進めるためには、まず認識性能の定量的な評価方法を確立することが必要であるとの認識に至った。そこで本報告では、過去の研究結果を見直し、レーンマークの認識性能の定量的な評価方法を確立する上での課題を整理をすることにより、今後の研究の進め方を明らかにすることにした。
 検討の結果として、まずレーンマーク認識性能の代用特性としては、路面/レーンマーク輝度コントラストが最も重要であること、またこの輝度コントラストを精度よくかつ効率的に計測する手法としては、画像センサを用いた路面/レーンマークの輝度コントラスト分布計測が最も有望であることを示した。また、このような計測方法を用いることにより、レーンマークの認識性能の改善、レーンマークセンサの開発、技術の標準化などが効率的に行えることを述べた。次に、これまでに実施した輝度コントラスト計測実験の結果を検討することにより、画像センサを用いた輝度コントラスト計測方法は、まだ計測精度に問題があること示し、改善すべき技術課題を整理した。また大気状態等の環境条件の計測手法についてもレーンマークの認識性能の観点から、基準化や標準化が必要なことを示した。
 本研究会は、フェーズI(平成7年度~平成10年度)の研究活動を終えて、平成11年度からフェーズIIの活動に入った。フェーズIIの研究では、先に述べた輝度コントラストの計測技術を確立すると共に、レーンマーク認識性能の評価方法の標準化も考慮に入れて、技術的な検討を行う計画である。

種別 / Article Type

報告書/Report

事業種別 / Type of Business

補助(2007年~最新)/Subsidy

発行年月 / Date of Issue

1999/03

分野 / Field

IT・エレクトロニクス応用/IT & Electronics

分野詳細 / Detailed Field

研究開発/車載機器
ID:7964
 

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